建白:消費税の増税について

私は、消費税を増税する際には、増税による増収分が充当されるべき社会保障関連の支出に関する乗数効果・経済波及効果を高める政策とセットで行うべきであると考えます。

 消費税の増税と景気の問題に関しては、増税後の需要の反動減だけであれば、対症療法としての景気対策によりこれを軽減することがオーソドックスな手法であると思います。
 しかしながら、反動減による影響が一時的なものにとどまらず景気回復自体の腰を折ることが危惧されるのは、そもそも論として、国民各層が、将来における更なる社会保障費の増加→更なる増税→所得の減少という負のサイクルを予見するがために現在の消費を控えるのではないか、という危惧が背景にあるのではないでしょうか。

 私自身かつて財政当局に在籍していた経験からすれば、これまでの政府部内の議論においては、医療や介護も含めて社会保障関係費については、(いわば砂漠に水を撒くがごとき)「使い切り」の消費的経費として認識され、政府から支出された後の波及効果についてはほとんど念頭に置かれていなかったのではないでしょうか。
 しかしながら、単純に考えれば、お金に色はありません。景気対策として行う公共事業について支出された「カネ」も、医療や介護といった社会保障として支出された「カネ」も、「カネ」であることに違いありません。
 この点、社会保障関係費の波及効果は公共事業よりも高いという調査も一部にはあるようですが、その適否は別としても、公共事業に比較してそもそもの規模も大きなものですから、その波及効果の比率をわずかでもアップさせることができれば、効果の総額は極めて大きなものとなります。また、裁量的な増減が行われる公共事業とは異なり、社会保障費は基本的に継続的な自然増加が見通されるものであるため、雇用や設備投資などの拡大を誘発しやすい素地があるのではないでしょうか。

 もし何らかの政策集中により、社会保障支出の経済波及効果を高めることができれば、この支出は、単なる消費支出ではなく(リターンのある)投資的な支出に姿を変えることができます。またこうすることにより、その原資となる消費税の増税は、いわば「投資の種銭」として、いずれはリターンが国民の皆様に雇用や所得増として還元されるとの説明も可能となると考えます。これにより、先に述べた国民の将来不安を払しょくし増税による景気回復への悪影響を軽減することができるのではないでしょうか。

 政府においても、医療に関して経済成長の主要な柱として重視されているところですが、産業育成策と並行して、例えば、国民医療費として支出された資金が医療機関に滞留せず関連産業へ波及させる施策(医療機関に対する医療機器等の設備投資促進策など)や、場合によっては診療報酬体系のあり方まで含めて、「経済波及効果を高める」という観点から政策を集中されるべきであると考えます。同様のことは、介護についても当てはまるのではないでしょうか。

※長崎幸太郎Facebookの投稿より
 From 衆議院議員 長崎幸太郎事務所


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