医療立国を推進し、高齢化による医療・介護などの社会保障と経済活性化の二つを同時に実現します。

消費税増税による国民の根源的な不安とは

消費税増税については、世論調査などでも容認する意見が多数となっています。他方、政府・与党が提案する消費税増税法案については反対する意見が逆に多数となっています。このような現象は、いわゆる「小沢系議員」が主張するような「歳出削減が不徹底だから」という単純な理由だからではなく、国民のもっと根源的な不安に政治が答えを出していないからだと考えます。
私は国民のこの「根源的な不安」とは、社会の高齢化の進展により社会保障支出が増えることは仕方ない、そのために増税も仕方ない、仕方ないが①一体、どこまで税負担は増えるのか、②そして増税により増々景気が悪化するのではないか、の2点であると考えています。

社会保障の抑制でも増税でもない「第三の道」

高齢化の進展により、医療や介護、年金などの社会保障費負担は、これまでも、そしてこれからも右肩上がりに増加します。もちろん、この過程で様々な無駄の削減手段を講じ常に効率化を図らねばならないことは当然ですが、そもそも医療を受ける割合が高く、介護や年金の支給対象となる高齢者人口が増加する中では、これらの制度そのものを廃止しない限り、社会保障費支出の抜本的抑制は不可能です。そうであるとすれば、これまで歴代政府が取り組んできた「社会保障支出を如何に抑え込むか」という発想は対症療法に過ぎません。では、増加する支出を賄うためにいつまでも増税できるか、といえば、これもまた不可能なことは明らかです。「限りない抑制」でも「限りない増税」でもない、第三の道、すなわち増加する社会保障支出との「共生」を考えるべきです。

医療費負担は、高齢化に伴い右肩上がりに増加
⇒しかしながら、医療費の制限は、「不可能」

「いかに抑え込むか」よりも「いかに『共生』するか」を考えるべき!


医療費負担は、高齢化に伴い右肩上がりに増加

社会保障支出、「使い切りの消費」から「経済活性化のための投資」へ

ここで経済学の基礎に立ち返り、社会保障支出が持つマイナスの側面以外に持つ「もう一つの顔」に着目する必要があります。それは、社会保障費の支出は国民経済計算的には「個人消費」に分類されますが、この個人消費は国内投資と同じく内需を形づくりGDPの構成要素となっているという側面です。これは、社会保障費の支出増加は、内需拡大を通じて経済活性化効果を有することを意味します。

===============================================
    社会保障費支出の“もう一つの側面”
    ~必ずしも悪者ばかりではない~

      •社会保障費の支出 = 個人消費(の構成要素)
              = 国内需要(の構成要素)
              = GDP(の構成要素)
             ∴社会保障費の支出増加 =内需拡大
               ⇒ 経済活性化
===============================================この点に着目して、私は、社会保障費支出に対する考え方の大転換を提唱します。すなわち、これまでのように社会保障費支出=使い切りの消費と捉えるのではなく、後に効果が残る「投資」として捉えるようにすること、「投資」へと転換するための政策集中を行うことです。
単なる「使い切り」と考えると、社会保障費支出の増加に「どこまでお付き合いすれば良いのか?」という発想になってしまいます。しかし、「社会保障支出は、後々、リターンを産む投資」であるとすると、より多くのリターンを産むためには社会保障支出の増加が望ましいという発想も成り立ちます。
これまで景気後退時などの状況下で経済活性化を図る手段として、公共事業などの公共投資が活用されてきました。これは、政府が公共事業を行うことでそこに投資された資金が、土木建設業者から資材や機械などの関連業種、さらに従業員から飲食店などなど様々な経路で幅広く波及していく効果を狙ったものです。
社会保障支出もこれと同様に社会に幅広く波及効果を有するように(すなわち社会保障支出の乗数効果を高めるように)政策体系を組み立てれば、従来型の公共投資と同じ効果を期待することができるはずです。
医療立国政策の概念

社会保障支出の経済波及効果を高めるために

では、社会保障支出の「乗数効果」を高めるためには何をすれば良いでしょうか。これもまた初歩的な経済学の教えるところでは、一般的に乗数効果を高めるためには、①限界消費性向(=収入が普段より増加した際、そのうち消費にあてられる額の割合)を上げること、②海外への需要流出を防止すること、が考えられます。これを社会保障支出に当てはめて考えると、①については、例えば介護職員の所得増加策や医療機関による医療機器導入への投資促進、②については、医療機器や医薬品などの医療関連産業の国際競争力の強化などが考えられます。

特に医療関連産業に関しては、現状においても日本の医療マーケットは世界有数の規模を誇り将来的にも安定成長が見込まれる有望市場です。大きなマーケットには強い産業が育つとすれば、我が国における医療関連産業の潜在的な成長力は極めて大きな可能性があると考えます。そして右肩上がりに増加する医療費支出を上手に活用して我が国国内において強い医療産業を育てることができれば、直接的にはそれ自体が経済活性化効果を有するほか、輸出拡大を通じて雇用拡大や国民所得の増加をもたらすことができるでしょう。そして、国民所得が増加すれば、当然、これに伴って税収増加も伴いますから、うまく事が運べば社会保障支出のための増税の必要性を打ち消すことも可能となります。

まとめ

以上のように高齢化により増加不可避な社会保障支出について、景気活性化につなげるべく政策を総動員すること、そして、そこから生まれる税収を、将来の社会保障費の財源とする、という循環構造を創ること、が、私が提唱する『医療立国・医療立県』の基本的な考え方です。


Comments are closed.