「医療立県やまなし」を構築し、山梨県を新たな日本経済の機関車とします。不況も恐れる必要はありません。

医療立国政策を実施する中で、我が山梨県についても増加する医療費支出の受皿となる可能性は十二分にあると考えます。いや、むしろ山梨県こそ医療機器産業の育成と首都圏や外国をターゲットにした医療観光産業により、医療立国日本のリーディング県の一つとならねばなりません。

メディカル・デバイス・コリドー(医療機器回廊)構想

医療関連産業を育成して増加する医療費支出の受皿を国内に作るという観点から、まず我が国が取り組むべき分野は「医療機器」です。
確かに、現状では医療機器は欧米企業に大きく遅れをとり、この分野の合計で約4,500億円の輸入超過となっています。しかしながら、医療機器は本来、日本のお家芸である「ものづくり」そのものです。独創的な研究により特許を取得することが重要となる医薬品については欧米に一歩遅れをとることもあり得るのかもしれませんが、一つ一つのパーツに高品質・安定性が求められる医療機器については、我が国のモノづくりの独断場です。他方、家電製品とは異なり、例えばCTスキャンは「一家に一台」の大量生産は求められません。多品種少量生産では、中国にも十分打ち勝つことができるでしょう。
このように考えると、医療機器分野においては、我が国産業の特性から潜在的に大きな可能性があると断言できます。しかも、この分野のマーケットは現時点においても安定した成長率がある分野であり、何よりも高い利益率が見込まれる分野です。

山梨県の産業構造は、「機械電子工業」の占めるウェイトが非常に高いものとなっており、医療機器製造と極めて高い親和性があります。県内の機械電子工業が医療機器分野に進出することで、これらの産業に携わる企業は勿論のこと、県内経済全体に新たな成長性と安定性をもたらすことが期待できましょう。しかも、山梨県は日本の有力医療機器メーカーであるテルモの甲府工場(昭和町)と医療産業先進県である静岡のファルマバレーとの間を高速道路で連結した中間地点にあるためどちらとも取引が容易であるという地の利があります。更には「医学工学総合研究部」を擁する山梨大学は、医療機器開発の知的拠点ともなり得るでしょう。

このような山梨県の置かれた状況を踏まえて、私は、テルモ甲府工場が存在する昭和町から中央自動車道路・東富士五湖道路・東名自動車道を経て、静岡県東部地域のファルマバレーを結ぶ一体を医療機器産業の集積地とする「メディカル・デバイス・コリドー(医療機器回廊)」の形成を提唱いたします。
これを実現するためには、まずは山梨県当局、山梨大学(大学院医学工学総合研究部)、工業技術センター、県内医療機関やテルモなどの医療関連企業などの関係者からなる「医療立県やまなし戦略会議」を設置して戦略策定を行うとともに、静岡県ファルマバレープロジェクトとの連携体制を構築するべきでしょう。また近く開設が予定されている県立産業技術短期大学(都留キャンパス)も活用し、人材育成と並行して県内中小製造業企業が医療機器分野への参入の導入役を果たさせるべきです。

このような取組みを通じて、20世紀の愛知県の自動車産業のように、今世紀は山梨県が静岡県とともに医療機器産業で日本経済の機関車役を果たすことができるようになるでしょう。そして、これにより山梨県が高齢化により右肩上がりで増加する医療費の受皿になることにより、不況に左右されずに安定して成長する地域経済を構築することが可能となります。

メディカル・デバイス・コリドー


Comments are closed.